No0002

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   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.002  2006.03.01      http://aptransways.net/
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メルマガ発行者の kawa です。

この号は、創刊第 2 号になります。
バックナンバーは、以下のアドレスに置いていますので、お時間のあると
きに覗いていただければ幸いです。

バックナンバー: http://aptransways.net/mmagtop.htm


今回の例文は、パソコンのキーボード操作について説明した短文です。


今回の例文とその目標訳
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【例文】

The Backspace key allows you to erase previously typed characters 
on a line. 

【目標訳】

Backspaceキーを使えば、1つの行の中でそれまでに入力した文字を消去す
ることができます。


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上の例文を翻訳ソフト(T社製)の初期設定で翻訳すると、次のような訳
文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「バックスペースキーは、あなたがライン上の以前にタイプされた文字を
消すことを可能にします。」



△△ なんて不思議な日本語でしょうか。
いや、これを日本語と呼んではいけないような気がします。これは、日本
語の単語を使った英語と呼んだ方がいいのかもしれません。


でも、この構文は、マニュアルなどの技術文書ではかなり頻繁に見かけま
す。無生物主語で始まって、動詞の allow 以降に何ができるかを記述して
います。

この allow と同じような使い方をする動詞に、他にも、enable、permit、
let などがあり、やはり技術文書ではよく使われます。


無生物主語で始まる英文を翻訳ソフトで直訳しても、自然な日本語になら
ないことがほとんどです。日本語では無生物を主語にする習慣が英語ほど
ではありませんので...。


とりあえず、以下の単語をユーザー辞書に登録します。
このとき、必要に応じて訳語選択や学習機能も使用します。


  Backspace key (名詞)         Backspaceキー
  erase (動詞)                 消去する
  previously typed (形容詞)    それまでに入力した
  line (名詞)                  行

(注:"erase" と "line" については、辞書登録よりは学習の方がベター)



すると、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「Backspaceキーは、あなたが行の上のそれまでに入力した文字を消去す
ることを可能にします。」



↑ 少しですが、目標訳に近づきました。

でも、まだ日本語らしくありません。
もう少しどうにかして目標訳に近づけたいのですが、ユーザー側でできる
辞書のチューニングは、普通はここまでです(注1)。

あとは、ユーザーが自分の手でこの訳出文を修正することになります。


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(注1)  高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、パターンマッチ機能などを使用して翻訳結果をチューニングす
る方法もありますが、このメールマガジンでは、あくまでも翻訳エンジン
とユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定した場合に、どこまでできるか
をテーマとしたいと思います。
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通常は、ユーザー辞書に登録した後の翻訳結果が良くなればそれで妥協す
るわけですが(妥協せざるをえない)、これをもう少し読みやすくするた
めに、筆者の Web サイトに用意した訳出文リライトツール(試作版)を
使ってこの訳文を書き直してみます。


上記のユーザー辞書登録後の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテ
キストエリアに貼り付けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみて
ください。

http://aptransways.net/APT.htm



すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「Backspaceキーを使えば(Backspaceキーにより)、行の上のそれまでに
入力した文字を消去することができます。」



いかがでしょうか?。目標訳に完全一致とまではゆきませんが、かなり読
みやすくなったのではないでしょうか。


「行の上の〜」の部分も「行の中で〜」に自動リライトさせようと思えば
できますが、別の文に悪影響が出る危険性があるのでその書き換えはあえ
て外しました。


あとは、必要に応じてユーザーが自分の手でこの修正文を再修正すること
になるかと思います。


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  編集後記
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当面は短文が中心になりますが、いずれは長文にもチャレンジしてみたい
と思っています。

文が長くなるほど困難が予想されますので、しばらく研究してから徐々に
長文に移行することになるかと思います。

例文の分野としては、できるだけ広範囲にしたいと考えていますが、とり
あえず現状では、一般文、会話文、時事英文(ニュース記事)、技術文
(IT 分野を中心とした理科系全般)などを考えています。


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英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!  No.002
発行者: kawa
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