No0034


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   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.034  2006.11.02      http://www.aptransways.net/
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読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は、文が短いので人間から見ると簡単そうに見えるのですが、
慣用表現やイディオムをうまく訳せない事例の 1 つです。


今回の例文とその目標訳
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【例文】

Since we've come so far, we might as well take a chance and go 
ahead. 

【目標訳】

ここまで来たので、思い切って賭けてみた方がましです。


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上の例文を翻訳ソフト(L社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「我々がこれまでのところ来ましたから、我々はチャンスをとって、
そして先に進む方がましです。」



△△ 日本語のはずなのに、何が言いたいのかよくわかりません。


よく見ると、"come so far" や "take a chance" などの慣用表現を直訳
してしまっているためにわかりにくくなっています。

"might as well" の部分だけがかろうじてうまく訳せています。


以前、別の号でも書いたことがありますが、一般的に翻訳ソフトは慣用
表現やイディオムがかなり苦手なようです。

そこで、ユーザー辞書にイディオムを登録してみようという発想になる
こともあるわけですが、これが簡単にできる製品がなかなかありません。


登録できる翻訳ソフトがあっても、登録手順が複雑だったり、登録方法を
工夫する必要があるために、ほとんどのユーザーはそんな面倒なことは
なかなかしません。


今回の例文でも、ユーザー辞書のチューニングは一目見ただけで断念しま
した。自動リライトツールに書き直しのルールを登録する方が簡単なんで
す。


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(注)  高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
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というわけで、今回はユーザー辞書には何も登録せずに、上記の訳出文を
そのまま筆者の Web サイトに用意した訳出文リライトツール(試作版)に
かけて書き直してみます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。

http://aptransways.net/APL.htm



すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「ここまで来ましたので、我々は思い切って賭けてみて、先に進む方が
ましです。」



いかがでしょうか?。目標訳どおりではありませんし、まだ少しぎこち
ない感じが残りますが、意味としてはわかりやすくなったのではないで
しょうか。


今回の訳出文の場合、文が短いのに主語が 2 回出てきたり、接続詞の
「そして」が入っていたりで、かなり冗長になっていましたので、自動
リライトツールの方でこれらのくどい部分を取り除きました。


あとは、必要に応じてユーザーが自分の手でこの修正文を再修正すること
になるかと思います。


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このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、
ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
から選んでいます。

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  編集後記
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前回の配信から 3 週間が経過してしまいました。
本業の方がまた忙しくなってしまったために、これだけ長いブランクに
なった次第です。

本業が忙しいのは良いことなのですが、メルマガやサイトの更新が停滞
してしまうので困っています。

次回は、11月09日(木)から11月16日(木)の間のどこかで配信する
予定(?)です。


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