No0072


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   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.072  2008.04.20      http://www.aptransways.net/
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読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は IT 関係の技術文で、ソフトウェアの説明書などで見かけ
そうな例文です。


今回の例文とその目標訳
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【例文】

The XXX macro instruction is used to start a program or subsystem 
from within your program and to pass 64 bits of information to the 
started program in the form of a hexadecimal number. 

【目標訳】

XXXマクロ命令は、ユーザーのプログラム内から別のプログラムまたは
サブシステムを起動し、起動したプログラムに64ビットの情報を16進数の
形式で渡すために使われます。


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上の例文を翻訳ソフト(N社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「XXXマクロ命令は、あなたのプログラムの中からプログラムまたはサブ
システムを始めるためと16進数という形で64ビットの情報を始められた
プログラムに手渡すために使われます。」



△△ わかりそうな気もしますが、訳語の問題をクリアすればもっと
わかりやすくなるかも?


とりあえず、単語レベルでの問題を解消するために、
以下の単語(複合語)をユーザー辞書に登録します。


 your program  (名詞)    ユーザーのプログラム
 pass          (動詞)    渡す



技術文の翻訳では、「あなた」という表現が不自然なのでこれを省略する
ことが多いのですが、今回のように「ユーザー」という訳語で置き換え
可能な場合もあります。

翻訳ソフトでも、ほとんどの製品でこの「あなた」を訳出するかどうかを
設定で変更できるようになっています。
今回使用した製品では、初期設定で訳出するようになっていましたので、
特に設定変更はせずにそのまま翻訳させることにし、ユーザー辞書への
登録により訳語を変更しました。


ユーザー辞書への単語登録により、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「XXXマクロ命令は、ユーザーのプログラムの中からプログラムまたは
サブシステムを始めるためと16進数という形で始められたプログラムに
64ビットの情報を渡すために使われます。」



なぜか後半部分の語順が一部変わってしまいました。
たぶん動詞 "pass" を登録したことによる影響だと思いますが、やむを
得ません。このあたりが翻訳ソフトを使うときになかなかユーザーの思い
通りにいかない点の 1 つだろうと思います。


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(注)  高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
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通常は、この結果で妥協するしかないわけですが、これをもう少し読みや
すくするために、ここで筆者の Web サイトに用意した訳出文リライト
ツール(試作版)を使ってこの訳文を書き直してみます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。

http://aptransways.net/APN.htm



すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「XXXマクロ命令は、ユーザーのプログラムの中からプログラムまたは
サブシステムを起動するためと、起動した(開始した)プログラムに
64ビットの情報を16進数の形式で渡すために使われます。」



一部の訳語を変更して後半部分の語順を変更してみたのですが、これで
少しはわかりやすくなったのでは?。
最後に、このリライト結果をさらに自分の手で再修正します。


∇∇∇

「XXXマクロ命令は、ユーザーのプログラム内から別のプログラムまたは
サブシステムを起動し、起動したプログラムに64ビットの情報を16進数の
形式で渡すために使われます。」


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※ 訳出文リライトツールには多少の柔軟性を持たせてありますので、
試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみるとどうなるか、遊んで
みてください。



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ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
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  編集後記
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今回号のメルマガでは、先日購入したばかりのN社製翻訳ソフトの
新バージョン「本格翻訳 6」をはじめて使いました。

まだこの 1 例文を試してみただけですが、もう少しいろいろな例文を
翻訳させてみて、また感想などを筆者のブログに書いてみたいと思って
います。


次回は、4月27日(日)から 5月4日(日)の間のどこかで配信する予定\nです。


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