No0124


── PR ──
  「コリャ英和!一発翻訳 2010 for Win」 ¥7,685
http://amazon.co.jp/o/ASIN/B0029E3X3Q/aptra-22/ref=nosim

  「英辞郎 第五版」 ¥2,500
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4757418205/aptra-22/ref=nosim

  「グリーンカフェのオンライン英会話サービス(スカイプ英会話)」
http://www.greencafe.jp/skype.html?aid=oocb
── PR ──

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.124  2010.04.21      http://www.aptransways.net/
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■

バックナンバー  →  http://www.aptransways.net/mmagtop.htm


読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は IT 関係の技術文で、マニュアルなどで見かけそうな例文
です。


今回の例文とその目標訳
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【例文】

High speed buffer provides much faster access to instructions than 
if they were stored in central storage. The blocks of data in the 
buffer are replaced by using a least recently used (LRU) algorithm. 

【目標訳】

高速バッファを使用すれば、中央記憶装置に記憶する場合よりも高速に
命令にアクセスすることができます。バッファ記憶内のデータブロック
は、最低使用頻度(LRU)アルゴリズムを使用して置き換えられます。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

上の例文を翻訳ソフト(L社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「高速のバッファが、もし(彼・それ)らが中央の貯蔵所にしまって
おかれたならよりずっと高速のインストラクションへのアクセスを提供し
ます。バッファでのデータのブロックは、最も少なく最近中古の(LRU)
アルゴリズムを使うことによって、置き換えられます。」



△△ 何の話だかわけがわかりません。


このままではほとんど意味不明ですが、IT 関係の専門用語が多用されて
いるので、専門用語辞書を使えばもう少しまともになるのではないかと
推測できます。

いつもならここでユーザー辞書への単語登録をするところですが、今回は
その前に翻訳ソフト付属の専門用語辞書を使ってみます。

筆者が所有する製品では、「電気・電子・情報」という翻訳スタイルを
設定することで、2 つの専門辞書(「コンピュータIT総合」と「電気電子
通信V2」)が翻訳に使用されるようになっていますので、これを組み込ん
でみます。

すると、訳文が次のように変化します。


【翻訳スタイル「電気・電子・情報」での翻訳結果】

「高速バッファが、もし(彼・それ)らが中央記憶装置にしまっておかれ
たならよりずっと高速のインストラクションへのアクセスを提供します。
緩衝記憶でのデータブロックは、最低使用頻度(LRU)算法を使うことに
よって、置き換えられます。」



複数の単語(複合語)が専門用語に変わり、いくらか技術文らしくなり
ました。
ある程度の専門知識を持った人が読めば、これだけでも本来の意味を理解
できる可能性がありますが、日本語としてはまだまだ×です。


訳語の問題もまだ少し残ってるようなので、以下の単語をユーザー辞書に
登録します。


 instruction  (名詞)    命令 (←学習機能を使用)
 store        (動詞)    記憶する (←学習機能を使用)
 buffer       (名詞)    バッファ記憶 (←学習機能を使用)
 algorithm    (名詞)    アルゴリズム (←学習機能を使用)



ユーザー辞書に登録と言っても、この例ではすべての単語が訳語選択に
よる学習処理だけで訳語を変更できましたので、マウスによるクリック
操作だけで作業は完了しました。

これにより、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「高速バッファが、もし(彼・それ)らが中央記憶装置で記憶されたなら
よりずっと高速の命令へのアクセスを提供します。バッファ記憶での
データブロックは、最低使用頻度(LRU)アルゴリズムを使うことに
よって、置き換えられます。」



名詞や動詞を中心とした訳語の問題はこんなところでほぼ解消した
としても、日本語の文としてはまだ不自然です。

たとえば「○○バッファ(無生物主語)が、〜へのアクセスを提供する」
という英語の構造が、日本語らしさの障害になっています。


--------------------------------------------
(注)  高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
--------------------------------------------


これをもう少し読みやすくするために、ここで筆者の Web サイトに
用意した訳出文リライトツール(試作版)を使ってこの訳文を書き直して
みます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてみてください。

http://www.aptransways.net/APL.htm



すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「高速バッファにより(〜を使用すれば)、中央記憶装置に記憶される
場合よりも高速に命令にアクセスすることができます。バッファ記憶の
中のデータブロックは、最低使用頻度(LRU)アルゴリズムを使うことに
よって、置き換えられます。」



まだ完全ではありませんが、英語的な文構造から、より日本語の表現習慣
に則した構造に変化しました。

最後に、このリライト結果をさらに自分の手で再修正します。


∇∇∇ 修正例

「高速バッファを使用すれば、中央記憶装置に記憶する場合よりも高速に
命令にアクセスすることができます。バッファ記憶内のデータブロック
は、最低使用頻度(LRU)アルゴリズムを使用して置き換えられます。」


この例文の内容はコンピュータ分野では広く知られていることで、CPU の
キャッシュメモリに関する説明文です。最近では、「高速バッファ」とい
うよりも「キャッシュメモリ」と呼んだ方がわかりやすいかもしれません。


--------------------------------------------
※ 訳出文リライトツールには多少の柔軟性を持たせてありますので、
試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみるとどうなるか、遊んで
みてください。


―――――――<このメールマガジンについて>―――――――――――\nこのメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、
ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
から選んでいます。

バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm
ご意見・ご感想・ご要望は →  kawa@aptransways.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――\n
□―――――――□
  編集後記
□―――――――□

市販の翻訳ソフトのほとんどで、分野別の翻訳スタイルという機能が用意
されています。

今回の例文では「電気・電子・情報」という翻訳スタイルを使用しました
が、翻訳原稿の分野に応じて適切な翻訳スタイルを選択することで、その
分野に適した専門用語辞書を選択したり、細かな翻訳設定をカスタマイズ
したりできます。

専門分野がはっきりしている場合は翻訳スタイルを使用することで辞書の
チューニング作業や訳文の編集作業が楽になりますので、この機能を\nできるだけ活用するといいと思います。


次回は、4月28日(水)から 5月5日(水)の間のどこかで配信する予定\nです。


↓ 英日・日英翻訳ソフトに関するクリックアンケートの最新状況!
http://www.aptransways.net/qnaire.htm


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!  No.124
発行者: kawa
サイト: http://www.aptransways.net/
メール: kawa@aptransways.net
バックナンバー: http://www.aptransways.net/mmagtop.htm
RSS フィード:   http://www.aptransways.net/mmagbn/atom.xml
発行システム: 『まぐまぐ!』『Melma!』『独自配信』
配信解除: 以下のアドレスから読者様ご自身でお願いいたします。

○まぐまぐ(ID:0000185648)
  http://www.mag2.com/m/0000185648.html
○Melma!(ID:150733)
  http://www.melma.com/backnumber_150733/
○独自配信の方は、このメルマガに対して「配信解除希望」という件名の
 空メールを返信していただければ、配信を停止いたします。

無断転載禁止ですが、メール転送は OK です。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞