英日翻訳ソフト=チューニング・メルマガ【No.296】

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   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.296  2017.04.28   http://www.aptransways.net/
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バックナンバー → http://www.aptransways.net/mmagtop.htm


読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は IT 関係の技術文で、コンピューターのマニュアルなどで
見かけそうな例文です。


今回の例文とその目標訳
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【例文】

The loosely-coupled multiprocessor systems architecture permits
two or more host processors to communicate with each other and to
share access to a pool of peripherals.


【目標訳】

疎結合マルチプロセッサシステムのアーキテクチャでは、2台以上の
ホストプロセッサが相互に通信し、周辺装置のプールへのアクセスを
共有することができます。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

上の例文を翻訳ソフト(T社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「柔軟結合マルチプロセッサ・システム・アーキテクチャーは、2つ以上の
ホスト処理装置が互いと通信し、周辺装置のプールへのアクセスを
共有することを可能にします。」


∇∇∇

訳語の問題を解消するために、以下の単語または複合語を
ユーザー辞書に登録します。

loosely-coupled (形容詞) 疎結合
host processor  (名詞)  ホストプロセッサ

ユーザー辞書への単語登録により、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「疎結合マルチプロセッサ・システム・アーキテクチャーは、2台以上の
ホストプロセッサが互いと通信し、周辺装置のプールへのアクセスを
共有することを可能にします。」


∇∇∇

次にこの訳文を、筆者の Web サイトに用意した訳出文リライトツール
(デモ版)を使って書き直してみます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてください。

http://www.aptransways.net/APT.htm

すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「疎結合マルチプロセッサ・システム・アーキテクチャーでは(疎結合
マルチプロセッサ・システム・アーキテクチャーにより)、2台以上の
ホストプロセッサが相互に通信し、周辺装置のプールへのアクセスを
共有することができます。」

最後に、このリライト結果を自分の手で再修正します。


∇∇∇ 修正例

「疎結合マルチプロセッサシステムのアーキテクチャでは、2台以上の
ホストプロセッサが相互に通信し、周辺装置のプールへのアクセスを
共有することができます。」

このメルマガの過去の配信号でも何回か取り上げましたが、この構文は
「無生物主語 permits 目的語 to V」のような構造になっていて、
技術文に限らず英語ではよく使われる構文になっています。

この permit と同じような使い方をする動詞に、他にも、enable、allow、
let などがあり、マニュアルなどの技術文書でもかなり頻繁に見かけます。


無生物主語で始まる英文はそのまま直訳してもまともな日本語にならない
ことがほとんどで、そのような英文を日本語に翻訳するときは、多少の
意訳をして日本語をわかりやすくする工夫が必要になります。

ここでは、英文で目的語に相当する部分を日本語の主語に変更して
訳文としていますが、そうした書き換え作業を訳出文リライトツール
によって自動リライトしています。

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※ 訳出文リライトツールには多少の柔軟性と汎用性を持たせて
ありますので、試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみると
どうなるか、遊んでみてください。
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(注) 高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
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【翻訳ソフトを持っていない方は......】
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今現在、手元に翻訳ソフトを持っていない方は、次の方法を試してみて
ください。

(1) 今回の例文を、以下の無料翻訳サイトで日本語に翻訳させる。

・Fresh eye 翻訳
http://www.fresheye.com/translate/


(2) 翻訳結果(日本語)を、以下のページで自動リライトする。

・T社製翻訳ソフト対応リライトツール(Tバージョン)
http://www.aptransways.net/APT.htm


辞書のチューニングができない分、翻訳結果に問題が残りますが、それで
も少しは翻訳結果が改善するのを確認できると思います。

□―――――――□
  編集後記
□―――――――□

今月(4月)中旬頃、機械翻訳に関する新しいニュースが 2 つ飛び込んで
きました。

まず 1 つ目、
昨年 11 月の Google翻訳に続き、Microsoft社も自社の
翻訳エンジン Microsoft Translator(Bing翻訳)の翻訳手法を
「統計ベースの機械翻訳(統計的機械翻訳)」から
「ニューラル機械翻訳」に変更したようです。

そして 2 つ目、
上記の発表から 3 日後、「ルールベースの機械翻訳」を
採用していた「Yahoo!翻訳」が 6 月 29 日にサービス終了となることが
発表されました。


やはりこれが機械翻訳業界の新たなトレンドなのでしょう。今後のメイン
ストリームになると思われる「ニューラル機械翻訳」では、翻訳精度が
大幅に向上したと言われていますが、本当にそうでしょうか?。

確かに意味不明な翻訳結果が激減して、原文の真意を推測・理解しやすく
なったように見えます。

ですが、「Google ニューラル機械翻訳」の翻訳結果を見ていると、
とんでもない誤訳を見つけることがまだあります。先日も、否定と肯定が
正訳とは逆になっているような事例を見かけました。その前後の文が
そこそこ自然な日本語になっていたりすると、誤訳があることに
気づかないまま読み進めてしまう危険性が以前よりも高くなったように
感じます。

以前なら直訳調の訳出文だったので、人間によるチェックと修正が
不可欠であることは一目瞭然だったのですが、「ニューラル機械翻訳」
では一見まともに見える自然な訳出文の中に誤訳が埋もれるという状況が
増えるような気がします。

見た目には翻訳精度が向上したように見えるとしても、まだまだ疑って
かかる必要がありそうです。


次回は、5 月中旬から下旬の間のどこかで配信する予定です。


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―――――――<このメールマガジンについて>―――――――――――
このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、
ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
から選んでいます。

ご意見・ご感想・ご要望は → kawa@aptransways.net
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