英日翻訳ソフト=チューニング・メルマガ【No.306】

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   英日翻訳ソフト = チューニングすればこんなに良くなる!

     No.306  2018.04.12   http://www.aptransways.net/
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バックナンバー → http://www.aptransways.net/mmagtop.htm


読者の皆様、ご購読ありがとうございます。
メルマガ発行者の kawa です。


今回の例文は、会話にも使えそうな比較的短い日常英文です。


今回の例文とその目標訳
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

【例文】

I saved myself a taxi fare when one of my friends happened to
pick me up.


【目標訳】

友人の1人がたまたま私を車に乗せてくれたので、私はタクシー代が
浮きました。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

上の例文を翻訳ソフト(T社製)の初期設定で翻訳すると、次のような
訳文が出力されました。


【初期設定での翻訳結果】

「私の友達のうちの1人が偶然私を乗せた時、私は自分にタクシー運賃を
取っておきました。」


∇∇∇

以下の単語または複合語をユーザー辞書に登録します(この例文の場合は
登録しなくても大差はないでしょう)。

taxi fare (名詞)  タクシー代

ユーザー辞書への単語登録により、翻訳結果が次のように変化します。


【ユーザー辞書登録後の翻訳結果】

「私の友達のうちの1人が偶然私を乗せた時、私は自分にタクシー代を
取っておきました。」


∇∇∇

次にこの訳文を、筆者の Web サイトに用意した訳出文リライトツール
(デモ版)を使って書き直してみます。


上記の翻訳結果(訳出文)を以下の URL にあるテキストエリアに貼り付
けて、[リライト実行] ボタンをクリックしてください。

http://www.aptransways.net/APT.htm

すると、訳文が次のように書き直されます。


【訳文の自動リライト結果】

「私の友人の1人が偶然私を車に乗せてくれた時、私はタクシー代が
浮きました。」

最後に、このリライト結果を自分の手で再修正します。


∇∇∇ 修正例

「友人の1人がたまたま私を車に乗せてくれたので、私はタクシー代が
浮きました。」

または

「たまたま友人が車に乗せてくれたので、私はタクシー代を浮かせる
ことができました。」

など。

原文には特に難しい表現もなく、英文としてはかなり初歩的なやさしい
文だと思うのですが、これを翻訳ソフトが訳すとなると、この例文の
ように意外に残念な翻訳結果になることが多いものです。

特に長文翻訳を想定して製品化された翻訳ソフトほど、口語表現の多い
会話文の翻訳を苦手としているように見えます。

今回の訳出文を読んだ時に一番引っかかるのは、やはり
"saved myself a ~ fare"(~代を浮かせた or 節約した)の部分が
単語単位の直訳になってしまっていて、フレーズとして日本語の
慣用表現になっていないことにあります。

こうした翻訳ソフトの弱点(単語単位の直訳になることが多いという特性)
を補完して、より自然な日本語表現に近づけるために、
訳出文リライトツールを用意しているわけです。


あと、英語の "when" は通常日本語では「時」で訳出されるわけですが、
今回の例文のように「時」のままでは日本語として不自然な場合も
あります。

今回はこれを手動修正で「~ので」に書き換えることにしました。実は
リライトツールによって自動修正させることもできるのですが、
条件設定が煩雑になるので今回は見送りました。


ちなみに、人工知能 (AI) 技術を採用した「ニューラル機械翻訳」方式の
代表格である Google 翻訳ではこの例文をどう訳すか試してみたところ、
以下のような翻訳結果になりました。

Google 翻訳による翻訳結果 →「私の友人の一人が私を迎えに来た時、
私は自分自身でタクシーを買いました。」


「タクシーを買いました?????」

最先端の AI 技術を導入してから翻訳精度が大きく向上したと噂されて
いる Google 翻訳でさえこんな現状(↑)なので、やはり機械翻訳を
利用する際はまだまだ人間による十分なチェックが欠かせません。

直訳調で不自然な訳出文ばかり出てくる従来の「ルールベースの機械翻訳」
の方が誤訳や訳漏れは少ないのかもしれません。

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※ 訳出文リライトツールには多少の柔軟性と汎用性を持たせて
ありますので、試しに名詞や動詞などを別の単語に変更してみると
どうなるか、遊んでみてください。
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(注) 高額な翻訳ソフトが装備する翻訳メモリー機能(ファジーマッチ
機能)や、変数指定型例文登録機能(パターンマッチ機能)などを使用し
て翻訳結果をチューニングする方法もありますが、このメールマガジン
では、あくまでも翻訳エンジンとユーザー辞書を使用した翻訳方法に限定
した場合に、どこまでできるかをテーマとしたいと思います。
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【翻訳ソフトを持っていない方は......】
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今現在、手元に翻訳ソフトを持っていない方は、次の方法を試してみて
ください。

(1) 今回の例文を、以下の無料翻訳サイトで日本語に翻訳させる。

・Fresh eye 翻訳
http://www.fresheye.com/translate/


(2) 翻訳結果(日本語)を、以下のページで自動リライトする。

・T社製翻訳ソフト対応リライトツール(Tバージョン)
http://www.aptransways.net/APT.htm


少しは翻訳結果が改善するのを確認できると思います。

□―――――――□
  編集後記
□―――――――□

上に書いた「ニューラル機械翻訳」方式に関する最近の筆者の感想を
1 つ追記します。

訳出文(日本語)の読みやすさは従来の「ルールベースの機械翻訳」方式
よりも良くなっていると思いますが、現状では誤訳や訳漏れ(特に訳漏れ)
が多いように感じます。

一見してまともに見える自然な訳出文の中に誤訳や訳漏れが埋もれる
という状況になるので、ニューラル機械翻訳の翻訳文をそのまま信用する
のはあまりにも危険です。人間による原文との照合チェックがまだまだ
欠かせません。


次回は、5月中旬から下旬の間のどこかで配信する予定です。


↓ 英日・日英翻訳ソフトに関するクリックアンケートの最新状況!
http://www.aptransways.net/qnaire.htm


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このメールマガジンでは、毎回さまざまな英文を翻訳ソフトに翻訳させて、
ユーザー辞書のチューニングや自作ツールによって翻訳品質が大幅に改善
する事例を紹介しています。例文は、一般文、時事英文(ニュース記事)、
技術文(IT 分野を中心とした理科系全般)など、さまざまな分野の英文
から選んでいます。

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